楽園をつくりたかったんだ 「ナモナキラクエン」小路幸也
ナモナキラクエン「小路幸也」
僕ら四人兄妹。
山紫水明。
山 サン、紫 ユカリ、水 スイ、明 メイ。
これが僕らの名前。
親父、なかなか粋なことするでしょ。
そんな粋な親父が死んだ。 ある日ポックリと。 僕ら四人に宛てた手紙を残して。
そこには母の連絡先が記してあった。
僕らの母はみんなそれぞれに違う人。 親父って。。。
「俺の死を彼女たちに知らせる必要はない。会いたきゃ会ってこい。」
投げやりに見える手紙、しかしそこには父の愛情が溢れていた。
僕たちの夏、それぞれの母への訪問が始まる。 そして、親父がこの家に込めた想いを知ることになる。
「この家を楽園にしたかったんだ」
母になるということ、父になるということ。 家族になるということ。。。
本作も、「家族の人」小路幸也ワールド全開です。
小路さんの作品には、ごく自然に「家族」が描かれます。
みんなそれぞれに「家族があるのはあたりまえ」のように、肩に力が入らないさり気なさ。 でも、「家族になる」ということは実はとても力がいることなんだと思います。 家族それぞれの努力があって、ひとつの家族になれる。 結婚して、子供ができて、孫ができて。。。
ごく自然な流れで家族になれたようでも、小さな努力の積み重ねはあると思うのです。 この四人兄妹の親父がすごかったところは、そんな小さな努力を子どもたちに感じさせなかったところ。 縁があって兄妹になれた僕たち。 親父はこの家を楽園にしてくれていました。
この親父、偉大です。
次は何をご紹介しましょうかね~
ではでは。
おやすみなさい。。。
|
|
||||
|
|
||||
|
|