そこに眠る人がいる、今も待ってる人がいる「ムーンナイト・ダイバー」天童荒太
こんばんは。 今日はどんな日でしたか?
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月の昇る夜、二人は密かに光の沖へと漕ぎだす。。。
こんな風に書き出すとちょっとロマンティックな物語を想像しますか? 訳ありの二人が密かに逃避行。。。
表題のとおり、夜の海に潜るのが物語の主題なのですが、お楽しみのためのダイビングではないんです。 大きな波に連れ去られたあの街。 あの爆発によって近づくことさえできなくなったあの街。 あの街の海にはまだ手もつけられずに、波にさらわれたままの街が沈んでいる。 遺体の収容さえもままならない。 そこに眠る人がいる。 今も待ってる人がいる。 だからこそ潜るのだ。 そんな内容のお話しです。
あの街、とは福島県の原発のある街がモデルです。 実はこの本、昨年の春に買っていたんです。 読み始めた直後に、熊本県の大地震が起きてしまい、読み進めることができなくなっていました。 一年が過ぎて、気持ちが少し落ち着いてきたのでもう一度はじめから読みなおしてみました。
フィクションとわかってはいるのですが、もしかしたらこんなふうに何かを持ち帰ってくれる人がいるんじゃないかと思わされてしまいます。 亡くなった方を悼むという行為、どこか前作の「悼む人」を思わされますね。
この国に暮らす限り、地震や台風とは縁を切ることはできません。 生きていくために、どこかで気持ちに折り合いをつけなければならないと思います。 でも、折り合いをつけるというのはなかなかむずかしいものですよね。
明日は何を読みますか?
では、おやすみなさい。。。
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