彼のことを知らないなんてもったいない!『横道世之介』吉田修一(毎日新聞出版)
世の中、なくてもぜんぜん困らないけど、あったら心が豊かになる、そんなものが人それぞれにあると思います。
この物語はそんな、この人がいてくれたら心が豊かになる、いてくれたら幸せになれる、という人物を描いた物語。
吉田修一さんといえば、「信じる」がテーマの作品が多いですが、この「横道世之介」も例に漏れず。他の作品は「本当に信じられるのか」というアプローチが多いのですが、本作は「こんないい人、どこを疑うの?」というほど「信じるに値する人」が描かれています。とってもハートフルな作品です。
横道世之介、韻を踏んだ名前、一度聞いたらきっと忘れない。彼の印象は、濃くも薄くもない、いわゆる「普通の人」。でも、なんだか魅かれてしまう、そんな人。
特別にすごいことをやってる訳でなく、目立つわけでもなく、誰かと大恋愛をした、とかそんなでもなく。。。
だけど、この人といると心地いいな、みたいに感じられる?
横道世之介と関わった人は皆、心が豊かになれるんです。
映画化もされていますよ。高良健吾さんのほんわかした演技、素敵でした。
横道世之介 [DVD]
もしかしたら、私たちのすぐそばにこんな人がいるかもしれません。本から少し目を上げて周りを見渡してみませんか? きっといつも優しくあなたを見守ってくれる人がいるはずですよ。
さて、今夜、あなたは何を読みますか?
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