大切に思う、だから信じる『怒り』 吉田修一
ほぼジャケ買いではありましたが。。。
深いです。
千葉、沖縄、東京でそれぞれの場所で素性の知れない男が暮らし始めた。
隣人とさりげに接する男、人目を避けるようにひっそりと暮らす男、人との接触を避ける風な男。
はじめは訝しがられながらも、それぞれに暮らす土地で受け入れ始める彼ら。親しい人ができるにつれ、彼らの出自が探り始められる。探られたくはないが土地の人との暮らしが馴染みつつある。隣人は、同居人は新参者の男をどこまで信じられるのか。。。
東京八王子で起きた殺人事件の犯人が顔を変えて逃走する、というのが物語の真ん中にあります。
全編を通して、「その人を信じることができるのか」と問い続けます。
口から出る「信じる」という言葉、その言葉を信じることができるのか。心から信じることができるのか。なかなか難しいことだと思います。
「本当に信じる」というのはどういうことなのか、考えさせられる作品です。
この秋に映画が公開されます。
ジャケ買いした文庫本にはフルサイズの帯がついていて、その裏は吉田修一さんの撮影現場訪問記になっています。
吉田さんの作品への思いや、撮影現場での様子、そして、妻夫木聡さんと綾野剛さんがどんなふうに役づくりをしているのか。
映画化を待たれる方は必見です!
さて、今夜あなたは何を読みますか?