読書日記 nokia's bookshelf

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その仕事、まだ頑張れる? 「ちょっと今から仕事やめてくる」北川恵海 著

 

 

 本日、映画公開の『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海 著。

ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫) [ 北川恵海 ]

価格:572円

 

2015年2月にメディアワークス文庫から発行された本作。

実は発行当初から気になっていたのですが、なんとなく目をそらしていたんですよね。 きっとね、この言葉(ちょっと今から仕事辞めてくる)を言いたいと思いつつ言えない自分がいて、この本を読んでしまったら私もつられて仕事やめてしまうんじゃないかな、って感じていたんでしょうね。

映画が公開になるということで、書店に平積みになっていたのを見て、いよいよ重い腰を上げて(重い手を上げて?)読んでみました。

はい。 nokiaも仕事やめたくなりました(^ ^;;)

 

nokiaアメーバブログをお読みいただいている読者さまにはその理由をお察しいただけるのではないでしょうか。 こちらです ←click!

 

昨今よく耳にする「ブラック」という会社のこと。 この作品にももっと真っ黒なブラック企業のことが書いてあるのかな、と思っていました。 勤務時間がやたらと長いのは確かにブラックかもしれませんが。。。 ブラック企業のこと、というよりは「ブラックな上司」でしょうかね。 こういう吠えてばっかりの上司ってどこの会社でもいますよね。

新人である青山はそんな「吠えてばっかり」の上司の格好の餌食にされてしまったようです。 ピンポイントで叱られ続けると、「僕ってホント社会の役立たずなんだな」って心に刷り込まれてしまいます。 印刷会社が舞台だからそんな表現をしたわけではないんですが。。。 (一人ボケ、一人ツッコミ(^ ^;;))

社会人になって、半年やそこらで一人前の社会人になんてなれるわけはありません。 新入社員が失敗するのはごく普通のこと。 失敗をさせないために上司や先輩が指導するのであり、もしも失敗してしまったのなら、その失敗をいかにフォローするかが上司なり先輩の役目でもあります。

 

本作に登場する上司や先輩は、言っちゃなんだけれど、社会人失格です。 新人を育てるスキルも人間性も備わっちゃいない。 そんな上司や先輩の下にいたら人間性壊れて当たり前です。

だけど。。。 本作の主人公、青山はいいヤツなんですよね。 すべて自分が未熟ゆえに上司や先輩に迷惑をかけている、自分ってどうしようもないヤツだな、ってそんなふうに考えてしまうんです。 もっと自分自身のことをゴリゴリと推せる性格ならば「えーかげんにしさらせ!!」と啖呵もきれるんでしょうね。 ちょっと怖めな関西弁で失礼しました〜(^ ^;;)

そうじゃないねんで、と優しく諭してくれる人がいる。 この物語のもう一人の主人公、ヤマモトです。 私のすぐそばにもヤマモトがいてくれたらなあ。 この作品、たくさんの若い方に読んでほしいです。 一人で頑張らなくてもいいよ、もう少し肩の力を抜いてもいいんだよ、ってこの作品からのメッセージを受け取ってもらいたいです。

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映画では福士蒼汰さんがそのヤマモトを演じてらっしゃるようですね。 映画の「ちょっと今から仕事やめてくる」も観たくなりました。 そして、原作のほうももう一回、いえ、もうあと何回も読みたくなりました。 何回か読み返してみると、また違った感想が出てくるかもしれませんね。

 

さてさて、皆さんは小説を読んでから映画を観ますか? それとも、映画を観てから小説を読みますか? どちらもそれぞれに楽しみ方があります。 「仕事やめようかな」って思う前にちょっと息抜きしてこの作品を楽しんでみませんか?

ではでは。 素敵な週末をお過ごしくださいね〜(*^^*)